二重円筒式防波堤を設置するため、柴山湾に巨大クレーン船がやってきた
こんにちは。光と海と風を感じる海辺の小さな宿まる屋若大将、藤原啓太です。
まる屋からすぐ目の前、波の穏やかな柴山湾に昨日、巨大クレーン船が現れました。
朝からエンジン音がすると思ったら
デカいの来てるよー!
#巨大クレーン船 が柴山湾に来てるよー!
いやしかし、デカい(*_*) pic.twitter.com/O4cDEMb0D5— 藤原啓太 但馬の魅力を伝えたい まる屋若大将 (@keita_maruya) 2018年6月25日
ご宿泊されるお客様に「漁港の向かいにある大きな建物は何ですか?」とよく聞かれます。昨日現れたクレーン船とも関係しているので紹介をしておきたいと思います。
二重円筒式防波堤
柴山港の向かい、柴山湾東側の製作ヤードで建設を続けているのは二重円筒式防波堤(二重円筒ケーソン)という特殊な形をした防波堤です。その工事が再開されたのが今年の4月。工事自体は僕が小学生の頃から行っています。
柴山港があります柴山湾は、昔から波が穏やかな湾でした。その特殊な地形から国土交通省が定める避難港に指定されています。暴風雨や時化(しけ)が発生した時に船舶が避難するための港です。
その避難港としての機能を強化するための事業として始まったのが、二重円筒式防波堤の設置でした。現在8基の防波堤が設置されています。湾の入り口にある無人島臼が浦へ行かれたことがある方はご存知かと思います。島へ行く途中に見えるのが現在設置されている防波堤です。
製作ヤードで建設が完了したものを柴山湾沖まで運ぶ際に登場するのが昨日やってきた巨大クレーン船、超重機船「海翔」です。前回8基目を設置したのが平成26年6月。今回4年ぶりに9基目の設置を行います。
そのとんでもない巨大さ、存在感の大きさには驚くばかりです!普段見慣れない特殊な車両や船にはやっぱり注目が集まりますね^^
天然の良港
二重円筒式防波堤は、一般的な防波堤と異なり防波堤の中を波が行き来できるような構造になっています。海中に設置した時、円筒形の面が波力を抑えつつ中を海水が出入りするため、海水の交換ができ水質の悪化を防ぐことが可能だそうです。環境や生き物に極力負担をかけないような構造になっているとか。
製作が始まったのが今から20年以上前。自然環境に影響を与えないようにと始められた工事ですが、柴山に住まれている方からはちょっとした変化が感じ取られていました。
それが防波堤を設置したからかどうかはわかりません。気候の変化、気温の上昇などが理由かもしれません。しかし、昔とはちょっと違うということです。柴山海水浴場の砂浜の形が以前とは変わっていたり、漁船の操業に支障が出ていたりと何かしら違いが見られているとよく耳にします。
でももしかしたら。今後、地震による津波が起き、二重円筒式防波堤によってその被害が軽減されるかもしれません。良いのか悪いのか、なんとも言えませんね^^;
避難港としての機能を強化することはとても大事なことではあると思いますが、昔から漁業の町を支えた天然の良港の柴山港として、波が穏やかな柴山湾としての面も大切にしてほしいものです。