但馬(たじま)の魅力を伝えたいまる屋若旦那、藤原啓太のブログです!

香住へ帰ってきて丸4年が経ちました。少し昔の話をします

 
この記事を書いている人 - WRITER -
香美町の海側(香住)出身まる屋若旦那、藤原啓太です 10年間の大阪生活を終え、2016年6月より、 地元へ帰って参りました 兵庫県北部の但馬(たじま)地方は、東京都と 同じくらいの面積がある広大な田舎です! 豊岡市の城崎温泉や出石城下町、神鍋高原、朝来市の 竹田城跡に生野銀山、養父市の天滝や氷ノ山、そして 美方郡の余部橋梁、湯村温泉、漁師町 JRの列車が一時間に一本だったり、夜間に車で走ると 鹿やタヌキが飛び出してきたりと、多少不便なことも あるけども、ええとこが沢山あります! そんな但馬の魅力を日々、感じまくっております^^ マラソンが好きです! 香住・ジオパークフルマラソン みかた残酷マラソン、 大阪マラソン2015、淀川マラソンに出場経験有り 走るのは速くない。でも走るのは好き! 日本酒が好きです! 但馬(たじま)の地酒、蔵ごとに 個性があっておもしろい! 香住鶴→ちょっと甘めでスイスイ飲める 此の友→すっきりキレイ系からしっかり系 銀 海→落ち着いた味わいやキリッと感 竹 泉→旨味しっかりで燗酒向き 個性豊かな日本酒をまる屋で楽しんでください!

おはようございます。藤原啓太です。

2016年6月に大阪から実家がある香住へ帰ってきて丸4年が経ちました。そして、先日迎えた誕生日には家族から、またSNSを通じて、沢山の方からお祝いのコメントを頂きました。本当にありがとうございます。

香住で過ごしていく中で但馬の方々と沢山お会いすることができました。4年前は知らないことばかりの僕にいろいろと教えて頂き、おかげで少しは但馬のことがわかるようになったかなと思います。そんな地元の方々やこちらに帰ってきて知り合った方々に「4年前よりも前の僕」のことを話す機会が今までありませんでしたので、今回お伝えさせて頂こうと思います。

香住へ帰ってくる前、僕は大阪府豊中市に住んでいました。市内にあります「とよなか 桜会(さくらえ)」という日本料理店で8年と10ヶ月間お世話になりました。今から13年前、23歳の誕生日を桜会のおやっさんやスタッフの方々に祝って頂きました。働き始めるということで歓迎会を開いて頂き、その日がたまたま誕生日だったのでついでにお祝いしてもらいました^^

この場所に至るまで、もう少し時間をさかのぼります。

料理の勉強をするために

「料理の勉強をしに行きたい」

そう言い出したのは、まる屋で働き始めてしばらくたった21歳の頃でした。料理に関する仕事に就く(実家の宿で働く)のだから家以外の別の現場で働いて経験を積みたいという理由から大阪へ行くことにしました。当時、家族や親せきの中には料理関係の仕事をしている人は誰もおらず、唯一、大阪の寿司屋で働いている同級生の友人がいるくらいでした(後でわかったのですが、彼はすでに寿司屋を辞めていました)

働き口が見つからずどうしようか、と思っていた時に当時大学生だった高校の友人がバイト先の飲食店で調理スタッフを募集していると話してくれて、ひとまずそこで働くことにしました。

そのお店は大阪市内、道頓堀の松竹座の地下にある大きな居酒屋。早速、難波の隣の大国町で部屋を借り、居酒屋での勤務が始まりました。京橋の寿司屋で働いている(と思っていた)友人を訪ねてみると、京橋駅から少し離れた場所にある小さなおでん屋で働いていました。お店には「The大阪のおばちゃん」という感じのお母さんがいて、友人やお客さんと楽しそうに会話をしていました。店内はまぁお世辞にもキレイとはいえませんでしたが(笑)、すごく素敵な雰囲気のお店でした。彼のおかげで巡り合わせてくれたこのおでん屋の肝っ玉お母さんが、後に僕の人生の選択に「ポンッ」と背中を押してくれる存在になってくれたのです。

勤務先となった居酒屋は100席以上ある大きなお店でした。地下二階という立地でしたが、地上階に松竹座という歌舞伎・演劇の劇場があったため幕間のお弁当の注文も入って忙しいお店でした。飲食経験が実家以外なかった僕は、今思うと常識のない田舎者で当時の従業員の方には失礼な態度を取っていたと思います。主に揚げ物関係の調理を担当させて頂いていて、怒られながらもなんとか日々の仕事をこなしていました。

桜会との出会い

難波の居酒屋で働き始め10ヶ月が経とうとしていたある日、法事をするということで実家に帰って来るよう、両親から連絡がありました。お店に休みを頂き、久しぶりに実家へ帰りました。祖父と曾祖母の何回忌目かの法要ということで、親戚一同が集まりました。

僕は4人兄弟の次男で他の兄弟は飲食とは別の仕事に就いています。法要後の食事で僕が飲食の仕事をしていることに触れて「まる屋の継ぎ手は啓太に任せたぞ」と、あるおじさんが言いました。僕ももちろんそのつもりで大阪へ出たわけなので「はい!」と答えました。しかし、心の中ではこの約10ヶ月間を振り返ってみてある疑問が浮かびました。

「このままこの店で働いて大丈夫なのだろうか?」

働かせて頂いた居酒屋を悪く言う意味ではなく、自分が本当に求めているお店なのだろうか、と真剣に考えてみました。答えはすぐにでました。もっと料理を一から学べる所に行きたい、自分が本当に働きたいと思える所に行きたい。

法事を終えて大阪へ戻ってすぐ、僕は本屋へ向かいました。そこで手にしたのが「あまから手帖うまい店100選(大阪)」という本でした。

うまい店100選

この本に載っているお店へ食べに行こう、気になるお店を自分で見つけよう、と決めました。この本に掲載されているお店が北摂(大阪府北部)から順に載っていてたまたま最初に伺ったお店が当時、北桜塚で営業されていた桜会だったんです。

これが桜会との最初の出会いでした。

雲の上の存在のお店

スキンヘッドの男が真っ昼間から一人でメモを取りながら写真を撮りながらランチを食べに来る。お店の方からすると本当に「ややこしいお客さん」だったかもしれません(笑)そんなことは気にも留めず、気になるお店を何軒か食べに行きましたが、やっぱり最初に行った桜会が気になりました。そこで、1度目はお昼に行ったので今度は夜に行くことにしました。夜のお料理には前回以上の感動がありました。中の料理人さんとも話をしました。調理方法や器のこと、食材のことなど沢山教えて頂きました。料理の勉強がしたい、ということも話しましたが「ここで、、」とは言えませんでした。このお店のことがすごすぎて雲の上の存在に思えたからです。僕なんかが働ける場所じゃないと思い、言葉にすることができませんでした。

それからしばらくして京橋のおでん屋へ行きました。おでん屋のお母さんにも前々から仕事先について相談をしていました。桜会のことを話すとお母さんはこう言ってくれました。

「自分が気になるところがあるんやったらまず門を叩いてみたら。ダメやったらまた探せばええやん」

当時の僕にとっては勇気をもらえる一言でした。その後、桜会へ直接電話をかけました。「ここで働かせてください」とお願いしたところ、たまたま、北桜塚とは別の店舗で6月末に辞めるスタッフがいるからその代わりで7月からだったらいいよという返事を頂きました。こうして僕は桜会で働くことができました。後々、この時の話をおやっさんに伺うとこのタイミングでなかったら多分、雇っていなかったと言われていました(笑)人生の運気の大部分をここで使い切ったと思います^^

桜会で始まった料理修行

当時、桜会は北桜塚に「桜会 本店」、そして大阪モノレール少路駅近くに「とよなか桜会 支店」がありました。(現在は北桜塚の店舗は無く、少路の店舗のみ営業しています)僕が勤務になったのは支店の方です。7月からでしたが(定休日の関係で7月3日から)、研修期間ということで6月30日と7月1日は本店で働かせて頂きました。桜会で働き始めるにあたり、何を思ったか日記をつけ始めたのです。初日の研修勤務を終えてその日の日記にこう書いていました。

昼の予約、夜の予約ともものすごい早さで一日が終わった。夜の最後のお客さんに頂いた一杯のビールが「死ぬほどうまかった」の一言!本当にありがとうございました。一日終えて体はクタクタに疲れたけどここで絶対成長します!

おやっさんをはじめ、沢山の先輩方に指導して頂き、沢山のお客さんに支えて頂き、満足に見せられない部分も多々多々ありますが、なんとか成長させて頂きました。本当に本当にありがとうございました。そんなこんなで始まった桜会での料理修行。決して楽な職場ではありませんでしたが、本当に有意義で濃い時間を過ごさせて頂きました。あの時の自分の行動がなかったら、あの時のおでん屋のお母さんの一言がなかったら、そして何よりおやっさんに受け入れてもらえていなかったら、今とは全く別の人生だったと思います。

2016年に実家へ帰り、今年で5年目がスタートしました。桜会で過ごした日々を忘れず、これからも精進していきたいと思います。

 

公式サイト とよなか桜会

Facebookページ 懐石料理 とよなか桜会

 


この記事を書いている人 - WRITER -
香美町の海側(香住)出身まる屋若旦那、藤原啓太です 10年間の大阪生活を終え、2016年6月より、 地元へ帰って参りました 兵庫県北部の但馬(たじま)地方は、東京都と 同じくらいの面積がある広大な田舎です! 豊岡市の城崎温泉や出石城下町、神鍋高原、朝来市の 竹田城跡に生野銀山、養父市の天滝や氷ノ山、そして 美方郡の余部橋梁、湯村温泉、漁師町 JRの列車が一時間に一本だったり、夜間に車で走ると 鹿やタヌキが飛び出してきたりと、多少不便なことも あるけども、ええとこが沢山あります! そんな但馬の魅力を日々、感じまくっております^^ マラソンが好きです! 香住・ジオパークフルマラソン みかた残酷マラソン、 大阪マラソン2015、淀川マラソンに出場経験有り 走るのは速くない。でも走るのは好き! 日本酒が好きです! 但馬(たじま)の地酒、蔵ごとに 個性があっておもしろい! 香住鶴→ちょっと甘めでスイスイ飲める 此の友→すっきりキレイ系からしっかり系 銀 海→落ち着いた味わいやキリッと感 竹 泉→旨味しっかりで燗酒向き 個性豊かな日本酒をまる屋で楽しんでください!

Copyright© まる屋通信 , 2020 All Rights Reserved.