香住は1つの… 今期の底引き網漁がスタートしました
おはようございます。9月1日に底引き網漁が解禁となり、9月2日、柴山港で今シーズン初めての競りが行われました。
おはようございます
今期の底引き網漁がスタート‼️#柴山港 pic.twitter.com/Cn9sED6Ufb— 藤原啓太 お宿まる屋とレストラン桜桃でお待ちしています🙇♂️ (@keita_maruya) September 1, 2020
市場には沢山の漁業関係者と仲買人。今年の底引き網漁が始まったということもあり、「今年も始まりましたね」「よろしくお願いします」とあいさつが交わされていました。
そして3日の朝は、接近中の台風の影響もあり、沢山の漁船が帰港。海産物が上屋いっぱいに並べられました。
海産物を仕入れたことをSNSに投稿したところ、都市部に住む幼なじみがコメントをくれました。その幼なじみの実家は柴山港に所属している漁船を所有しています。
買い手さんがいてくれるからこその漁業。ありがたいよ^^
市場に並ぶ海産物は買い手である仲買人が値段を付けることで、売り手である漁師は収入を得られます。買い手がいなかったら収入を得ることができないので買い手の存在がありがたい、と言ってくれました。友人との何気ないコメントのやり取りの中で、僕はふと2年前のことを思い出しました。
2018年12月末、ズワイガニの漁獲可能量(TAC)を年内でほぼ消費し、年明け3月までカニ漁が続けられないかもしれない、という話が出ました。結果的には、脱皮したての若い松葉ガニ(水ガニ)の漁獲枠を成熟したカニの漁獲枠に割り当てるなど、打開策のおかげで3月末までカニの水揚げは続けることができ、ご予約頂いていたお客様にも提供することができました。
漁師さんが海産物を獲ってきてくれるからこその観光業
改めて、そう思った出来事でした。観光業には、宿泊業はもちろん、加工品やお土産品を製造する水産加工業者も大きく関わってきます。漁業があってこその加工業、宿泊業です。
新型コロナウイルスの影響で特に4月、5月は観光業は大打撃を受けました。漁業は、海に出て海産物を獲って来るということには支障がないかもしれません。しかし、海産物の魚価には大きく大きく影響が出ました。人が移動できなくなり、宿泊をする人、飲食をする人、お土産を買う人が激減。当然、需要がなくなるわけですから今まで必要であった仕入れが必要ありません。魚価の落ち込みが本当にすごかったです。漁に出てもその対価が得られなくなってしまうので漁師さんたちも大変苦労されたと思います。
そんな状況を友人は知っています。知っているからこその一言だったと思います。漁業は加工業、宿泊業を必要とし、宿泊業も加工業もまた、漁業を必要としています。
城崎温泉は1つの旅館 香住は…
香美町香住の隣町、豊岡市の城崎温泉では「町全体が1つの旅館」と考えられています。駅が玄関、大通りが廊下、お土産店が売店、飲食店が食事処、外湯が浴場、そして宿泊施設がお部屋。町全体でお客様をおもてなしをする、というとてもステキな考え方です。みんなで支えあい、共存する。共存共栄の精神が町中にあふれています。
この共存共栄の精神は、きっと香住にもあふれていると思います。
海産物を獲って来る漁師や市場で海産物を扱う仲買人。
料理の一品として出される干物やお土産として持ち帰る海産物の加工品を製造する水産加工業者。
お客さんにゆっくりと過ごしてもらえる空間を提供する宿泊施設。
海産物がなければ、、、加工品がなければ、、、お客さんが来なければ、、、。どれが劣っているとか、誰が優れているとかではなく、それぞれがそれぞれを必要とし、お互いに補い合い共存しています。正に共存共栄。
城崎温泉が1つの旅館なら、、、香住は1つの漁師宿でしょうか(笑)
海産物を仕入れ、それを加工して食事で出したりお土産にしたり、部屋でゆっくり過ごしてもらう。リゾート地のような快適な空間ではないことも漁師宿の良さということで^^
港町の観光業に関わる者として、漁業との関係性の大切さを改めて感じました。
柴山港では9月から底引き網漁がスタートし、11月6日にズワイガニ(柴山がに)が解禁になります。まずは、安全に操業ができることを心から願って。今シーズンもよろしくお願いします^^