「香住アナゴのしゃぶしゃぶと御崎の花山椒」香美町の名品に認定していただきました
こんにちは。当館の春プランで提供している香住産の活アナゴと花山椒を使ったお料理「香住アナゴのしゃぶしゃぶと御崎(みさき)の花山椒」を今年度の【香美町の名品】に認定していただきました。【香美町の名品】とは、町内にある様々な地域の特産品をより多くの方に広めたいという想いから生まれた独自のブランド制度です。
香美町の名品に認定していただきました💮 pic.twitter.com/3k0JyjiXvd
— 藤原啓太 お宿まる屋若旦那🦀活柴山がにプランは3月26日まで (@keita_maruya) February 8, 2024
「香美町の名品」10品追加 カニのだし汁やノドグロ燻製などhttps://t.co/IocXi9qvmx
香美町の農水産物を生かした食品をブランドとして認定する「香美町の名品」で、香美町商工会は本年度、香住ガニのだし汁やノドグロの燻製(くんせい)など10品を新たに追加した。
— 神戸新聞 (@kobeshinbun) February 18, 2024
香美町の代表的な特産品といえば、この時期水揚げされる松葉がにの他、ノドグロやハタハタ、ホタルイカ、カレイなどの海産物やお米に野菜、但馬牛などの畜農産物があげられます。そんな特産品の中に「アナゴ」と「花山椒」が入る…ということはあまりイメージできないかもしれません。僕自身、香住でアナゴが水揚げされるのを知ったのは地元へ帰ってきた2016年のことでした。地元で消費されることはほとんどありませんが、春と秋の底引き網漁で水揚げされる鮮度の良い活アナゴを香住へ来られるお客様にどうにかお出しできないか、と「しゃぶしゃぶ」で提供することを考えました。
大きなサイズのアナゴを骨切りして昆布だしのお鍋にくぐらせてポン酢で召し上がっていただく。春のプランとして提供してみると、アナゴをしゃぶしゃぶで食べるという意外性とサッと火を通すことで味わえるぷりぷり食感がかなり好評で、お客様にとても喜んでいただきました。港では水揚げされるものの、地元消費はかなり少ない香住のアナゴ。地域の特産品として、地元の方にも観光で訪れる方にもぜひ知ってもらいたい!味わってもらいたいと思い、宿泊プランの料理やレストランで提供するお料理の一品として提供してきました。
そして、3年前から注目し始めたのが「御崎の山椒」です。
余部鉄橋跡地がある余部地区から更に海沿いを車で走ること約10分。海上から光源までの高さ日本一を誇る余部埼灯台があり、平家の落人伝説が語り継がれる御崎集落が見えてきます。海と山に挟まれた急斜面に位置するこの集落では、昔から山椒の葉(木の芽)の栽培が盛んでした。御崎地域で栽培される「御崎の山椒」も知る人ぞ知る存在です。
3年前に「栽培の様子を一度見てみたい」と思い、栽培農家さんと直接コンタクトを取って収穫の様子を見せていただきました。
余部橋梁から約5km、御崎(みさき)集落は知る人ぞ知る山椒の産地🌿
山椒の木の奥に見えるのは #余部埼灯台 です✨
おはようございます pic.twitter.com/h9J5FLVkv9— 藤原啓太 お宿まる屋若旦那🦀活柴山がにプランは3月26日まで (@keita_maruya) April 1, 2021
栽培地の一つである余部埼灯台周辺は沢山の山椒の木が植えられていました。春の収穫時期になると、一つ一つ丁寧に手作業で収穫作業をされるそうです。作業の様子を伺っているとあることに気が付きました。
「山椒の葉(木の芽)と花山椒を一緒に収穫しているのですか?」
花山椒とは、わずかな期間にしか姿を見ることができない山椒の花です。貴重な食材なので京都や大阪など都市部の料理店などで高額で取引されています。話を伺えば、出荷先のJAでは収穫の対象となるのはあくまで山椒の葉で、花山椒は特に取り上げて収穫をされていないとのこと。残念ながら市場への出荷作業を担うJAが花山椒だけを引き取るということをされておらず、山椒の葉と分けずに収穫されているということなのです。
貴重な花山椒が目の前にある、ということで栽培農家さんに直接お願いをして花山椒だけを収穫させていただきました。この時、快く対応していただいた農家さんには本当に感謝しています。持ち帰った花山椒をアナゴのしゃぶしゃぶに薬味として一緒に食べたところ、、、これがめちゃくちゃ美味しい!花山椒のマイルドな辛味がさっぱりと心地よく、しゃぶしゃぶが一層美味しくなりました。
農家さんもわざわざ収穫されていない花山椒を入手するために山椒の葉の収穫時期になると御崎を訪れ、農家さんと一緒に収穫作業をしながら貴重な御崎の花山椒をわけていただき、お料理に使ってきました。花山椒を手に入れるためには僕が現地に向かい収穫させていただくことしか方法がなく量を確保することが難しいため、入手できればお客様にお出しするという方法でわずかながら提供を続けてきました。
そんな状況が続いていた2023年の春、ついにJAが動き出しました。市場価値が高い花山椒を個別に仕分けして出荷することを農家さんに伝えたのです。市場価値が高くニーズがあるものを提供することで農家さんへの報酬単価も上がります。JAの対応のおかげで山椒の葉と花山椒が仕分けされて収穫・出荷されることとなりました。その話を聞いてすぐ、直接JAと取引をして花山椒を入手!香住アナゴのしゃぶしゃぶプランのお客様全てに提供できるようになりました。
香美町の隠れた名産品である「香住のアナゴ」と「御崎の花山椒」を地元のみならず、多くの方に知ってもらいたい!と思い、そのきっかけになればと今回【香美町の名品】に申請をする運びとなり、無事に認定をいただくことができました。
これから更に力を入れて宿泊プランの料理やレストランでの料理の一品として提供をしていこう!と思っていたのですが、、、1つ気がかりなことがあります。それは昨年に漁をやめられた底引き網漁船があるということです。その船は活アナゴを水揚げする漁船でしたが、惜しまれつつ廃業されてしまいました。実際に今年の漁が始まってみないとわかりませんが、昨年よりも活アナゴの確保が難しくなってしまうかもしれません。まずは宿泊プランのお客様を優先させていただき、もし確保ができれば地元の方にも召し上がっていただけるように準備を進めていこうと思います。
【香美町の名品】として選定されている商品は、お土産品として購入できたり、ネット販売で手軽に購入できるものが多いです。しかし今回認定していただいたものは当館にお越しいただいた方のみご提供できるお料理となります。お越しいただく必要はありますが、機会がありましたらぜひ香美町へ、まる屋へお越しいただき「香住のアナゴ」と「御崎の花山椒」を召し上がっていただければと思います。香美町の様々な名品を知っていただき、召し上がっていただき、香美町へ訪れることが更に楽しく充実したものになれば幸いです。【香美町の名品】のパンフレットは当館にもありますので、気になった方はぜひ手に取ってみてください。